オリーブオイルを搾る

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「自宅に植えているオリーブが実をつけました。しかし、油にすることが出来ません。SHiBOROではオリーブオイルを搾ることが出来るでしょうか?」このようなお問い合わせを何年か前から頂いておりました。ようやくオリーブ用の搾油機を作ることが出来ました。
 
オリーブオイルの搾油には大きく分けて5つの工程があります。

 
④水と油の分離 ⑤油の濾過
 
 現代的な手法では、③、④の2つの工程は遠心分離機によって代替されることが主流の様です。昔ながらの方法としては、石臼のような機械で粉砕、攪拌を行い、圧搾し沈殿濾過を行います。シボラス-オリーブを使った方式は、昔ながらの方式と、現代の方式の折中に当たると考えています。
 
 搾れる量は原料のオリーブに対して5〜8%程度。若いオリーブだと1%程度のこともあります。ゴマなどに比べて少ない搾油率です。正直に書きますと、工程も複数あるので、少しの時間で簡単に搾れるものでもありません。しかし、何度も実験を繰り返して、初めて油になったときはとても嬉しかったのを記憶しています。何度搾っても楽しいです。
 
 オリーブは摘み取ってから、なるべく早く搾油すると良いと言われています。シボラス-オリーブであれば、摘み取ってすぐに搾油することが出来ます。また少量のオリーブでも搾油出来るので、オリーブの育成の状態に合わせて、早いものや熟成したものを搾り比べるのも面白いと思います。


オリーブオイルを搾ろう



①オリーブ粉砕工程


 

 
良く洗ったオリーブをフードプロセッサーの容器に入れます。
 
 

 

 

 
フードプロセッサーのスイッチを入れ、オリーブを粉砕します。粉砕と書いておりますが、カッターでオリーブを切断するような構造で、種は粉砕出来ません。

オリーブ搾油機3
 

 
 
この画像の程度になるまで粉砕を行います。粉砕の後、撹拌器のポットにオリーブの粉砕物を入れます。
 
 
 
 

 以前は粉砕工程にはフードプロセッサーをおすすめしておりました。その後、色々と試した結果、このフードプロセッサーを使うようになりました。理由として、①粉砕 → ②ポットへ充填の作業が楽に行えるからです。撹拌器が1kgから3kgへ大きくなったことに伴い、粉砕の作業が増えることになりました。
 
このフードプロセッサーのおかげで粉砕が手際よく行えるようになったので、作業が楽に早くなりました。また、ステンレスの容器で安心感も増しました。ご参考にされてください。
 
一般的なフードプロセッサーでも粉砕は可能です。お手持ちのものがあれば、それを使用されてください。
 
使用機種   山本電気 YE-MM41


②オリーブ撹拌工程


オリーブ撹拌器

 電動撹拌器にて撹拌します。弊社製品です。撹拌はオリーブの状態に合わせて 30〜50分程度行ってください。この工程が油と油を引っ付けて搾りやすくする、大事な行程です。1度に3kg程度のオリーブを撹拌することが出来ます。
 
モーターが羽根を回転させ、オリーブを撹拌します。かくはん羽根は取り外して洗うことが出来ます。

 
オリーブを3kg程度ポットに充填します。その後撹拌器本体をセットします。
スイッチを入れてモーターを回転させ、撹拌します。
撹拌の具合を確かめます。30〜50分を目安にしてください。油が浮いているのが見えるようになったら次の工程へ進みます。
 

③オリーブ固形物と液体の分離工程


撹拌が終わったら、オリーブ用遠心脱水脱油機「シボラスーオリーブ」で固形分と液体分を分離させます。

 

 
容器に袋をセットし、撹拌が終わったオリーブを6分目程度充填します。重量が1.5kg程度になるように充填してください。あまり多く入れすぎると、モーターへの負担大きくなり、停止することがあります。その場合、モーターの保護機構が作動します。モーターが自動で停止し、また自動で動き始めます。そのような動きがあった場合、オリーブの量を減らしてください。
 
 撹拌器の1度の処理量が約3kgです。2回シボラス-オリーブにかければ、処理することが出来ます。 
 

 

容器の蓋を閉め、スイッチを押してモーターを回転させます。
 
スイッチには誤作動防止カバーを装備していますので、誤ってスイッチに当たってしまって動き出すというようなことはありません。赤いスイッチを押すと止まります。
運転中は押しボタンスイッチのランプが点灯します。

 

 
モーターが回転すると、オリーブの撹拌物から水と油の混ざった液体が遠心力によって分離されます。モーターの回転数は約2,600回転。10分間経過すると自動で停止します。
 
分離が終わった「シボラスーオリーブ」は液体が当たる部分は全て取り外して洗浄することが出来ます。


④-1水と油の分離 分液ロートのみ使用


 

 
分離された液体を、分液ロートに入れます。
 
1.5kgのオリーブから約500mlの液体が分離されます。
品種や栽培状況、雨の状況などによって、この量は変化します。
 
500ml、もしくは1000mlの分液ロートを使用します。
2本程度ご準備されると便利です。

 

 
分液ロートにいれて、少し時間がたったところです。
上の黄色い部分が油、下の赤茶色の部分が水分になります。
 
少しでも分離した様子が見られたら、なるべく早くコックを開き、水分を落とします。

分液ロートにいれて、4時間がたったところです。
 
この程度分離したら、次の工程へ移れますが、1日程度静置するとまだまだ分離されます。綺麗に分離するほど、後のろ過工程がスムーズに行えます。
 
重力による分離は、遠心分離機による分離に比べると時間がかかるのがデメリットです。しかしながら、失敗は少ない方法になります。
 


④-2水と油の分離 分液ロートと遠心分離オプションを使用


 

 分液ロートで30分程度、大まかに水と油を分離した後、遠心分離オプションを使用することで、より早い時間で水と油を分離することが出来ます。
 
オプションは、遠心脱水脱油機シボラスーオリーブに取り付けることが出来ます。別の機械を新たに購入する必要はありません。遠心分離オプションをお買い上げいただく必要はあります。

 

 遠沈管に水とオリーブオイルの混合物を充填します。50mlの遠沈管が4本装着出来ますので、1度に200mlを処理することが出来ます。遠沈管に充填する量は、同じ量にしてください。

 

 回転数は毎分2500回転。処理時間は10分です。
4本の遠沈管の中に入る液体の量が同じ量になるようにしてください。
遠沈管を遠心分離オプションに装着する際は、4本または2本を対角に配置してください。
1本または3本のみを装着することは、絶対にしないでください。機械が大きく振動し、危険です。
 

 

左が分離後。右が分離前です。
 
分離後は下側に油以外のものが溜まっています。
 

オリーブ遠心分離オプション
 

ピペットポンプで不要な液体を取り除きます。オリーブオイルを吸い取っても構いませんが、不要物を吸い取る方が楽に作業が出来ると思います。
 
遠心分離オプションを使うことで、これまで半日〜1日程、分離にかかっていた時間が、2時間程度に大幅に短縮されました。濾過をする際に、ろ紙も詰まりにくくなりました。

オリーブ遠心分離オプション1
遠心分離オプション本体
オリーブ遠心分離オプション2
遠沈管4本セット
オリーブ遠心分離オプション3
遠沈管ラック
オリーブ遠心分離オプション4
ピペットポンプ

⑤ 油の濾過


 

分離させたオリーブオイルを、フィルターでろ過します。
ろ紙をセットする台にはハリオのコーヒードリッパーをロートの代用として使用しています。
ドリッパーを使用することにより、フタも取手も付いていて、直接容器に載せられるので便利です。

 

フィルターが目詰まりし、オイルが落ちなくなったら、フィルターを交換します。
 
オリーブオイルが綺麗になるまで、ろ過を繰り返します。ドリッパーは複数個あると重宝します。
 
こちらの画像は3回目のろ過です。

 

ろ過後、ビン詰したところです。
 
3kgのオリーブから200gのオリーブオイルが搾れました。概ね5〜8%の搾油率を目安としてください。若いオリーブでは、1%程度の搾油率の場合もございます。オリーブの状態によって、搾油率はかなり変化します。
 
オリーブの搾油量は、オリーブの状態や撹拌時間などによって変化します。
若い緑の実を搾れば、風味が強い油が搾れるが搾油率は低下し、熟した実を搾れば搾油率は上がるが風味が弱くなるようです。
 
また、撹拌時間を長く、温度を高めにしてやると、搾油率は上昇する傾向にありますが、オリーブオイルの品質にも影響を与えます。


お客様オリーブオイル搾り体験レポート 


 近畿地方にお住いのお客様に、SHiBORO-Olive&Juiceご使用いただきました。そのご様子をレポートにまとめてくださっています。ありがとうございます。ご使用事例としてご紹介差し上げます。綺麗な緑色のオリーブオイル、青っぽい香りがしたとのことでした。うまくいって、私もとても嬉しいです。

 オリーブ粉砕

デロンギマルチフードプロセッサーで、おろしである程度種を取り除きました。

 攪拌

カッター、攪拌も続けて行いました。

 オリーブ圧搾

搾油機にセットし、搾ります。びっくりするほど液体が出てきました。
ラチェットのおかげで回しやすい方向で支えのハンドルを持ちながら回します。
中の実が飛び出すこともなく、スムーズに搾油が進みました。

オリーブ沈殿

分液しているところです。
青い実でしたので油の量は少ないのかもしれません。ロート台を注文していますが間に合わなかったので、ペットボトルで代用しました。

オリーブ濾過

コーヒーフィルターで濾しています。
とっても思い入れのある美しいオイルです。


 今回、オリーブ搾油機をお譲りいただき、本当にありがとうございました。
オリーブを手搾りすることは大変な手間をかけないといけないことが分かりました。
 実を粉砕することも大変ですが、何よりも搾油がこの搾油機が無いと5分の1もできなかったのではないかと思います。何と言っても絞ることが楽しいです。
 2回の搾油をしましたが、とっても楽しく作業を進めることができました。
液体はとても出てきやすい印象です。作業はとても楽しく、娘と一緒に貴重な経験をさせていただきました。また熟成させた実も絞ろうと思います。 (近畿地方在住のお客様より SHiBORO-オリーブ&ジュースをご使用いただいております。)



製 品 詳 細

  オリーブ脱水脱油機
シボラス-オリーブ
  オリーブ撹拌器
品番 IOD-01-015k 品番
IOK-03-3k
外形寸法 幅×奥行×高さ(cm) 幅46×奥行36×高さ37  外形寸法 幅×奥行×高さ(cm) 幅26×奥行26×高さ35
重量 約10.5Kg 重量

約3.8Kg

電源 AC INPUT 100-240V ~4.2A 50/60Hz  電源 AC100V 50/60Hz
  OUTPUT 24VDC  8.3A     
消費電力 70W 消費電力  20W
回転数 約2600r/min 回転数  50Hz 16.6r/min 
60Hz 20.0r/min
1度に処理出来るオリーブ撹拌物の量

1.5kg
1処理10分間で終了

 1度に処理出来るオリーブの量 3kg
材質 液体受け     ステンレス
液体受け固定具  ABS樹脂
筐体       ステンレス
上部透明フタ   ポリカーボネート
材質  キッチンポット  ステンレス
筐体       アクリル樹脂
透明フタ         ポリカーボネート
付属品

キッチンポット 2L
不織布袋 100枚

付属品  六角レンチ3mm
六角レンチ4mm 


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